昨今話題のSTEAM教育で注目の「論理的思考力」とは? 基本的なことから、何故重要なのかを記事にしてみました。加えて、幼少期から中学生までの子供たちが能力を伸ばす具体的なアプローチ方法も掲載。
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論理的思考力とは?
論理的って言葉はよく聞きますよね?「あの人は論理的な考え方する」とか、「あの人の意見は論理的だ」、など聞いたり使ったりする機会がそこそこありませんか?
そもそも論理的とは、ものごとの筋道を立てて結論を導くさまを指します。事実や根拠に基づいて、整然とした理由付けや思考の過程を経て判断や決定を行うことを意味します。その能力が論理的思考力となるのです。
論理的な言い方をすると「あのひとって理屈っぽくない?」とか、いやみを言われたりしますが、論理と理屈の違いを一言でいうと、論理は筋の通った考え方であり、理屈は個人的な説明です。
論理的思考力の基本
論理的思考力とは、物事を頭の中で整理し、正しい結論にたどり着く能力です。それは、問題を解決するときに一つ一つのステップを経て、間違いを避けながら答えを見つけることができる能力です。例えば、数学の問題を解くとき、与えられた情報(問題文)を使って、答えを見つけるために論理的思考力が必要です。また、話し合いをするときに、感情や勢いだけでなく、事実や理由に基づいて筋道を立てて話すことも論理的思考力によるものです。
論理的思考力の要素
細かく分析すると次の要素(能力)が、段階的または相互に補完しあって考える力となります。
- 分析力: 情報を整理し、重要な部分を見極める能力。
- 推論力: 既知の情報から新しい結論を導き出す能力。
- 批判的思考: 情報や主張を評価し、その妥当性を判断する能力。
- 問題解決力: 複雑な問題を分解し、一つずつ解決策を考える能力。
なぜ論理的思考力が重要なのか?
論理的思考力は、子どもたちが直面する多くの場面で役立ちます。たとえば、数学の問題を解くとき、歴史の出来事を理解するとき、さらには友達とのトラブルを解決するときなどです。論理的思考力を持つことで、子どもたちは自分の考えを明確に伝えることができ、より良い意思決定を行うことができます。
年齢別アプローチ
では、この論理的思考力はどのように育てるのでしょうか? 幼児教育、初等教育、中等教育別に具体的な方法を紹介します。
幼少期の論理的思考力の育て方
幼少期は、論理的思考力の基礎を築くいい時期です。この時期には、遊びや日常生活の中で自然に論理的思考を育むことが大切です。
1. 遊びを通じて学ぶ
幼児は遊びを通じて多くのことを学びます。ブロック遊び、積み木やパズルは、形や色を認識し、どのように組み合わせるかを考えることで論理的思考を育てます。例えば、積み木遊びでは、ここに置いたら崩れるとか、こうすればもっと高く積み上げられるなど、考えながら学べます。
2. プログラミングおもちゃ
近年、幼児向けのプログラミングおもちゃが多く登場しています。例えば、ボタンを押すと特定の動きをするロボットなどは、子どもたちが「このボタンを押すとこうなる」という因果関係を学ぶのに役立ちます。また、シンプルなプログラミングゲームを通じて、手順を考え、それを実行する経験を積むことができます。
3. 質問を促す
子どもに「なぜ?」や「どうして?」と問いかけることを習慣にすると良いです。例えば、「なぜ空は青いの?」と質問された時に、一緒に調べたり考えたりすることで、子どもが自分で考える力を育てることができます。
4. 物語や絵本
物語を聞いたり、作ったりする活動も効果的です。物語の中で何が起きたのか、次に何が起こるのかを考えることで、順序立てて考える力が身につきます。
小学生の論理的思考力の育て方
小学生には、より具体的で体系的な方法で論理的思考力を育てることが求められます。プログラミング教育もこの時期から本格的に始めると効果的です。
1. プログラミングの基礎
小学生の頃は、プログラミングの基礎を学ぶいい機会です。例えば、Scratch(スクラッチ)などのビジュアルプログラミングツールを使って、自分で簡単なゲームやアニメーションを作ることができます。これにより、手順を考え、それを実行するという論理的思考のプロセスを学べます。
” Scratch ”は、MITが開発した8歳から16歳を対象とする無料教育プログラミング言語です。画面上のブロックを組み合わせることで簡単にプログラミングできます。
2. 算数の問題解決
算数は論理的思考力を育むのに最適な科目です。問題を解く過程で、どのような手順を踏むのかを考える必要があります。例えば、「3つのリンゴがありました。友達がもう2つくれました。全部でいくつになりますか?」という問題では、子どもは数を足すという論理的な考えを学びます。何気ない足し算ですが、実はこういった基本的な考えを通じて論理的思考力の向上につながります。
3. プロジェクト型学習
学校教育の現場では、プロジェクト型学習が効果的です。子どもたちが自分たちで調査をし、情報を整理、発表するという一連のプロセスを経験します。例えば、あるテーマについて調べてポスターを作る活動では、情報を集め、それをどのように整理するかを考える必要があります。
4. ディスカッションとディベート
クラスでのディスカッションやディベートも有効です。異なる意見を聞き、自分の意見を論理的に組み立てて発表することで、批判的思考力や論理的な推論力が鍛えられます。家庭内でも、例えば、パパチーム・ママチームに分かれて他愛無い話題をテーマにディベートするのも面白いですね。
ディベートとは、ある特定の論題(話題・議題)について、異なる立場に分かれて議論する手法のことです。
中学生の論理的思考力の育て方
中学生時代は、より高度な論理的思考力を育てる機会でもあります。プログラミング教育も、より複雑な課題に取り組むことで、論理的思考力をさらに深めることができます。
1. プログラミングの発展
中学生になると、より高度なプログラミング言語を学ぶ機会でもあります。例えば、Python*やJavaScript**を使って、実際のアプリケーションやウェブサイトの作成にチャレンジするのもいいでしょう。これは、具体的な指示や手順が明確でない課題に対して、論理的思考や創造性を使って解決策を見つける経験となります。
2. 問題解決型学習
学校教育の現場では、複雑な問題を解決するプロジェクトに取り組むことで、論理的思考力が鍛えられます。例えば、地域の環境問題について調査し、改善策を提案する活動では、データを集め、分析し、論理的に結論を導くことが求められます。
3. 批判的読解と作文
文章を読んで批判的に考える力を養うために、様々なテキストを分析することも重要です。また、論理的に構成された作文を書く練習をすることで、自分の考えを整理し、明確に表現する能力が身につきます。
4. 科学実験
科学の授業で行われる実験も、論理的思考力を育むのに役立ちます。仮説を立て、それを検証するための実験を行い、結果を分析して結論を導くという一連のプロセスは、論理的な推論力を鍛えるのに最適です。家庭内でも、簡単な科学実験が可能ですので、学校の授業に限らずあらゆる可能性を広げてみましょう。
結論
論理的思考力は、幼児期から中学生世代までの各段階で異なる方法を通じて育むことができます。幼児期には遊びや日常生活を通じて自然に、小学生には具体的な課題を通じて、中学生ではより体系的で複雑な方法を通じて論理的思考力を鍛えます。特にプログラミング教育を取り入れることで、論理的思考力を効果的に育むことができます。子どもたちが楽しみながら論理的思考力を身につけることで、将来の様々な場面で活躍できるようになります。論理的思考力は一生涯役立つスキルですので、早いうちから意識して向上させることが大切です。
注釈
Python*とは (戻る)
汎用プログラミング言語で、シンプルで読みやすい構文を持っています。その使いやすさと柔軟性から、データ解析、Web開発、機械学習、科学計算、自動化など、さまざまな分野で広く使われています。
JavaScript**とは (戻る)
ウェブ開発において主要な役割を果たすプログラミング言語の一つです。ウェブページを動的にしたり、相互作用したりするために使用されます。例えば、ボタンをクリックすると画像が変わったり、フォームに入力したデータを処理したりできます。ウェブブラウザ上で動作し、HTMLと組み合わせて使います。JavaScriptを使うことで、ウェブ開発において自分のアイデアを実現することができます。