「プログラミングは難しそう」と思う子供たちも、アニメーションやゲーム作成、ロボット操作など楽しく興味がありそうな要素を取り入れることで、遊び感覚で始めるキッカケがつかめるかもしれません。
この記事では、子供たちが夢中でハマるプログラミングの始め方を紹介します。遊びながら学ぶ楽しさを一緒に見つけませんか。
【AD】この記事には広告が含まれています。
何故プログラミングなの?
今、学校教育でプログラミング教育が重要視されています。
文部科学省指導の下、2020年度から小中高と順次必須化され、2025年1月実施の大学入学共通テストでは「情報Ⅰ」が必須科目として導入されます。
このような時勢を反映して、巷にはプログラミング教室も数多く開設されています。プログラミング教室では、どのようにすれば子供がプログラミングに興味を持つかに力を入れています。
子供たちのプログラミング学習の目的は2つあると考えています。
ひとつは「プログラミングの考え方を学ぶ」こと。もうひとつは「興味あることを実現するためのツール」としての役割です。
その他にも多くの意義がありますが、子供たちにとってこの2つは特に注目すべき点だと思います。それぞれについて見ていきましょう。
論理的思考力を養う意義
プログラミングを学ぶことは、子供たちに論理的思考力を育てる絶好の機会です。プログラミングでは、問題を細分化してステップごとに解決していく必要があります。
この過程を通じて、次のようなスキルが身につきます。これらのスキルはプログラミングに限らず、学業全般や将来の職業においても大いに役立つものです。
問題解決能力
プログラムを書く際に直面する様々な問題やバグを解決することで、問題解決能力が自然と向上します。
分析力
問題を理解し、どのように解決するかを計画する過程で、分析力が鍛えられます。
論理的思考
プログラムの流れを論理的に組み立てることが求められるため、論理的に考える力が養われます。
クリティカルシンキング
複数の解決策を比較し、最適な方法を選ぶ力が身につきます。
興味あることを具現化するためのツール
プログラミングは、子供たちが自分のアイデアを形にするための強力なツールです。
頭の中で描いたものを具体的にしていく過程で色々なスキルを習得し、完成時の成功体験は子供の自信へとつながります。
創造力の発揮
プログラミングを通じて、子供たちは自分のアイデアを具体的な形にすることができます。例えば、ゲームを作ったり、アニメーションを作成したりといった活動を通じて、創造力が伸びます。
自己表現
プログラムを作成することで、自分の興味や関心を表現することができます。これは、自己肯定感を高める一助となります。
達成感
自分の力で何かを成し遂げたという経験は、達成感を得るための貴重な機会です。この達成感は、さらなる学習意欲や挑戦心を育む原動力となります。
実践的なスキル
将来的に役立つスキルを早い段階で身につけることができるのも大きな利点です。プログラミングは多くの職業で必要とされるスキルであり、早期からの習得はキャリアの選択肢を広げることにつながります。
遊びながら学ぶ
子供たちは、色々な実用的な教材を使うことで、楽しく遊びながらプログラミングを学ぶことができます。以下に、具体的な例を挙げてみます。
アニメーション制作
プログラミング初心者が一番最初にチャレンジするならアニメーション作成がおすすめです。
見た目にわかりやすく、プログラムした結果がすぐに反映されるため子供が興味を持ちやすいです。
アニメーション作成では、プログラミングの基本概念(ループや条件分岐など)を自然に習得できるため、学習効率が高いのもメリットです。
また、自分のアイデアを動きのある形で表現できるため、創造力を育むとともに、アートやデザインの基本を学ぶことができます。以下に、アニメーション作成が可能な教材を紹介します。
Scratch(スクラッチ)
Scratchは、キャラクターに動きなどの指示をするブロックを使い、並べ替えることでプログラミングする教材です。
利用は無料で、日本語に完全対応しています。子供がプログラミングの基礎を学ぶのに最適なツールで、視覚的に操作できるためアニメーションも簡単に作ることができます。
Viscuit(ビスケット)
Viscuitは日本で開発された無料で使えるプログラミング学習教材です。
自分で描いたキャラクターを「メガネ」というツールを使ってプログラムを作成します。
操作は全てアイコンのクリックやドラッグ&ドロップで行うため、文字を読む必要がなく、幼児でもプログラミングの基本が学習できます。
Scratchtとは違った視覚的なプログラミング環境で、遊びながら学べる教材です。
ゲーム作成
子供がもっとも興味を持つのがゲーム作成です。
難しそうに感じるゲーム作成も、簡単なものならプログラミング初心者の子供でも簡単に作ることができます。
また、チュートリアルを参考にすれば、より複雑なゲーム作成にチャレンジすることも可能です。
Scratchなど人気の教材では、Youtubeなどで数多くの動画がアップされているので独学でも学習することができます。
ゲーム作成では、ストーリー展開やオリジナルのキャラクターデザインなど、クリエイティブなスキルも身につけられます。以下に、おすすめのプログラミング教材を紹介します。
スクラッチ (Scratch)
アニメーション作成の項で紹介した通り、Scratchはビジュアルプログラミング言語で、子どもたちは簡単にドラッグ&ドロップでプログラムを作成することができます。
Scratch内やYoutubeでもゲームを作るためのチュートリアルが多数アップされていて、自分だけのゲームを作りながらプログラミングの基本を学べます。
また、Scratchには世界中から参加するオンラインコミュニティがあり、他のユーザーが作成したプロジェクトを見ることで学びを深めたり、自分のプロジェクトを共有して感想などのフィードバックを得ることができます。
ロブロックス (Roblox)
ロブロックス (Roblox) は、ユーザーがゲームをプレイし、自分でゲームを作成できるオンラインプラットフォームで、幅広い年齢層に人気があります。
Roblox Studioというアプリ(PC、スマホに対応)を使って、プログラミングやデザインのスキルを駆使してオリジナルのゲームを作成できるため、教育的な要素も豊富です。
基本的に無料で利用できますが、課金によりプレミアムアイテムや特定のゲーム内コンテンツを入手できたりします。こちらもYoutubeなどで解説動画が多数アップされています。
マインクラフト(Minecraft)
Minecraftは、プレイヤーがブロックを使って自由に建物や世界を作り出すゲームを通じて、プログラミング学習する教材です。
ゲーム的要素が多く含まれているため子供たちに人気があります。
いくつかの種類がありますが、プログラミング教育に特化したエディションの「Minecraft: Education Edition」は、コードビルダーという機能が搭載されていて、レベルに応じたプログラミング言語でプログラムでき、ゲームを楽しみながら自然に基礎を学ぶことができます。
しかし、原則個人では購入できないので、取り扱っているプログラミング教室に通う(オンライン教室もあります)必要があります。
独学希望ならば、教育版の次にプログラミング教育に適しているPC版「Minecraft Java Edition」をおススメします。こちらは一般販売されています。
ロボットプログラミング
ロボットプログラミングも子供たちに人気のある教材です。
ロボットキットを使って、実際に動くロボットをプログラミングで制御します。
購入するキットにもよりますが、Scratchのようなブロックを組み合わせるプログラミングが主流なので初心者でも取り組みやすくなっています。
STEAM教育の観点からも、科学・技術・工学などを総合的に学べるため、学習効率が高くお勧めしたい教材のひとつです。
ロボットプログラミングについては、別記事にまとめていますので、興味があれば読んでみてください。
電子工作
電子工作も前述のロボットプログラミング同様、STEAM教育の観点から学習効率の高い学習方法です。
他に比べると少し難易度が上がりますが、基礎的な電子回路(中学理科)から論理回路(高校「情報Ⅰ」)まで、実際の電子部品を使って楽しく学習できます。
電子工作自体は、電気回路や電子部品を使って様々な電子デバイスやガジェットを作成することですが、これにマイクロコントローラー(「Arduino」や「Raspberry Pi」など)を使い、プログラミングの要素を組み合わせることで、「IoT(モノのインターネット)」など、さらに多様なデバイスやガジェットを作り出すことができます。
これらの過程を通じて、プログラミングの枠に収まらないスキルを身につけることができ、アイデアを具体的な形にする力を得ることができ、将来の学びやキャリアの可能性を広げることができます。
その他
アプリ開発
生活に便利なアプリを作成することで、問題解決能力を向上させることができます。
例えば、計算機アプリやメモ帳アプリなど、日常生活で役立つツールを自分で作成することで、プログラミングの実用性を実感することができます。
少し高度なプログラミングが必要になりますが、基礎を習ったうえで取り組むことは可能です。プログラミング学習の次の目標としてチャレンジするのもいいでしょう。
ウェブサイト制作
自分の趣味など情報発信したいことがあれば、自分自身のウェブサイトを開設するのも楽しいでしょう。
最近は、Wordpressなどのソフトを使えば、簡単にウェブサイトを作ることができますが、HTML、CSS、JavaScriptなどのプログラミング言語を学ぶことで、オリジナリティーあふれるウェブサイトを作成することができます。
独学 or スクール?
今回紹介した多くの教材は、一部(Minecraft: Education Edition)を除いて、基本独学での学習は可能です。
スクラッチやロブロックスなど世界的に人気のあるサイトでは、充実したチュートリアルが用意されていますし、Youtubeなどでも解説動画が多数アップされています。
しかし、独学は集中力を持続するのが難しく、また、より深く高度なプログラミングを学習するには限界があるので、子どもの習熟度や希望などを踏まえて、スクール入会も検討してみてはいかがでしょうか。
以下の記事では、各教材が学べるスクール(オンライン)を紹介していますので参考にしてください。
最後に
冒頭でも述べた通り、プログラミング教育は単に将来のプログラマーを育てることではなく、プログラミングの手法を用いて論理的な考え方を学ぶことを目的としています。
子どもが将来どのような道を歩むのか人それぞれですが、その根幹部分で役立つスキルがプログラミング学習です。
少しでも早いうちから取り組むことが推奨されていますので、子供が興味を持ちそうな教材を検討し、未来に向けた準備を進めてはいかがでしょうか。